皆さんのお住いを雨や風、熱などから守っている屋根ですが、外壁と同じく、屋根にも様々な種類があります。実は地域によって屋根材の種類が違うんです。面白いですよね。それは昔の人が環境によって屋根の特徴を生かした材料を使ってきた歴史があるからです。その様々な屋根の特徴を説明していきます。
屋根材についてご紹介します
1.陶器瓦
陶器瓦とは、釉薬瓦とも呼ばれ瓦に釉薬(うわ薬)をかけて、窯の中に入れて高温で焼き上げた瓦を言います。様々な色を出せるのが魅力で、また様々な瓦の形があり、家の形状・デザインに合わせて使い分けが可能な素材です。和風住宅だけでなく、最近は洋風住宅でも多く見られます。表面がガラス質になっているため、水が浸透せず、長い年月が経っても美しい状態を保つ事ができるので、メンテナンスの必要がありません。

2.モニエル瓦
モニエル瓦とは、砂を主原料としたものです。モニエル瓦は、セメント瓦の一種で豪雨や強風にも耐える防水性を備えています。また、断熱性にも優れている屋根材ですが、経年により変色が起こり、メンテナンスが必要となります。数年ごとに塗装メンテナンスをしないと、セメント自体の劣化が早くなります。

3.コロニアル屋根(スレート・カラーベスト)
コロニアルは、セメントとパルプ繊維を混合して形成したものです。パルプ繊維は強い粘りと耐久性が認められています。他の屋根材と比較するとコロニアルは軽い屋根材なので、建物への負担が軽くなります。1995年の阪神大震災が起きてから、建物の耐震性が重要視されるようになり、比較的軽量屋根が多く使われるようになりました。現在では1番使用されている屋根材になります。

4.トタン屋根
トタン屋根は、薄い鋼板に亜鉛をメッキしたトタン板を加工して作られています。日本では戦後多くの家が屋根材に採用しました。瓦と比較すると軽量でコストが安いです。金属でできているため断熱効果が低く、直射日光を浴びると家の中に熱気がこもり、冬になると外の寒さが伝わり暖かさを保つ事ができません。雨が降ると、雨音が家の中に響いてしまいます。錆も発生してしまうので定期的な塗装メンテナンスが必要です。

5.ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカで開発された金属素材です。アルミと亜鉛で鉄を守る事により生まれた、耐久性に優れた鋼板で、それまで普及していた金属屋根素材のトタンは亜鉛メッキ鋼板でしたが、トタンにアルミを加えて強くしたのがガルバリウム鋼板です。アルミの長期耐久性を併せ持っているため、従来のトタン屋根に比べ3~6倍の耐久性があります。地震の揺れにも強いため外壁にも採用されています。スタイリッシュでモダンな見た目から近年人気が高まっています。

6.アスファルトシングル
アスファルトシングルは1903年にアメリカで開発されました。ヨーロッパや日本では、屋根材といえば瓦屋根が基本ですが、アメリカやカナダではアスファルトシングルが一般的な屋根材として知られています。アスファルトシングルは、フェルト紙の両面にアスファルトを塗布し、その表面に色の砂を定着させた素材です。色の砂を定着させる理由としては、表面に傷が付きにくくするようにしたり、屋根材の細かい穴を埋めるといった役割があります。日本では古くなったストレート屋根の上にそのまま被せるカバー工法と呼ばれる新しい屋根のリフォーム方法として人気が高まっており、カッターやハサミなどで簡単にカットすることができるので、曲面などの複雑な場所でも使用可能で扱いやすいため、高いデザイン性、軽量性などの特徴もあり、優れた屋根材として注目されています。

7.陸屋根
陸屋根とは、勾配のない平面上の屋根のことで、平屋根、フラット屋根とも言います。陸屋根には勾配が全くないわけではありません。排水勾配という雨水が残らないようにつけられるわずかな傾斜があるのが一般的です。しかし平らに近い作りになりますので、雨水が溜まりやすく、雨漏りにつながるという特徴があるので、雨漏りを防ぐため、表面にはウレタンやFRPによる防水工事が不可欠です。建物がスタイリッシュな見た目になるためデザイン観点からも採用例が増えています。戸建て住宅では屋上施設や屋上緑化としての利用も多くあります。

ちなみに工事種目ごとの予算目安は、以下のとおりです。
工事の種類 | 耐候年数 | 費用(㎡) | 箇所 |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 10年 | 4,000~6,500円 | すべて |
シート防水(ゴム) | 10年 | 3,500~7,000円 | 陸屋根 |
シート防水(塩ビ) | 15年 | 3,500~7,000円 | 陸屋根 |
FRP | 10年 | 4,500~6,500円 | ベランダ |
アスファルト防水 | 15年 | 5,000~7,500円 | 陸屋根 |
8.折板屋根
折板屋根とは、主に工場や倉庫などに採用されています。昔はトタン板が主流でしたが、近年では比較的コストも低く、耐久性に優れたガルバリウム鋼板が最も使用されています。折板屋根は、軽量で水はけが良く、耐震性が高いのが特徴です。しかし、金属屋根のため耐熱性が低く、暑さや寒さなどの外気の温度に大きく影響されます。他にも錆びやすいというデメリットもあるので、定期的な塗装メンテナンスをする必要があります。

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