ガイナの効果とメリット・デメリット

断熱効果を持つ塗料は多く存在しますが、高い断熱効果を持つことで知られるガイナについてご説明したいと思います。

ガイナとは?

ガイナは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発した、宇宙ロケット用の断熱技術を応用して生み出された塗料で、日進産業というメーカーが開発した、屋根・外壁用の新しい断熱塗料です。

ガイナは、配合されている特殊中空セラミックの働きにより、温度の高い側から届いた熱を積極的に戻す性能があります。
これにより、ガイナで塗装された屋根や壁を境に、温度の流れや変化を減少させることができ、住居の快適性や省エネ性に高く寄与するのです。

ガイナは、日本の宇宙開発技術から生まれた民生用製品が認定される「JAXA COSMODE」という公認ブランドの第1号商品にもなっています。

また、その高い性能と先進性から、【2017年度には省エネ大賞「審査委員会特別賞」】を受賞しました。

ガイナの効果

主成分となる特殊セラミックビーズの断熱効果により、ガイナを塗装した家は「夏は涼しく、冬は暖かくなる」と言われています。

ガイナを建物の外装に塗装することで、夏場の室温は平均4.5℃下がり、電気代が月に約5,346円節約できるというデータが、第三者機関であるJICA(国際協力機構)の実験により判明しています。

ガイナは熱に対してだけでなく、大きく分類すると、主に6つの効果を発揮してくれる優れものです。

★★ 寒さ対策(断熱・保温) ☆☆

エアコン・ストーブ・コタツなど、冬の時期に大活躍する暖房器具ですが、寒さを和らげるために使えば使うほど、電気代がかかってしまうでしょう。

しかし、ガイナには、放熱を抑える効果があるため、外壁に塗られていれば、部屋の暖かさを逃さず保温しやすく、暖房代も抑えられる可能性があります。

ガイナは、動物たちの温度のストレスから守る為、畜産施設でも活躍しているそうです。

★★ 暑さ対策(遮熱・断熱) ☆☆

寒さだけでなく、暑さにも強いのが、ガイナ塗料です。

熱(日射)を反射してくれる効果があるため、夏の暑い時期に強烈な日差しがあったとしても、部屋の中を快適な温度に保ちやすくなります。

「クーラーをガンガンに付けたとしても、外の暑さのせいで全然涼しくならない」といった経験はありませんか?

暑い時期を我慢していればやり過ごせますが、やっぱり辛いものがあると思うので、ガイナを検討して頂くのもよいかもしれません。

★★ 騒音対策(遮音・防音) ☆☆

ガイナの中には、特殊なセラミックの成分が大量に含まれています。

セラミック成分は、効率よく音を反射するだけでなく、振動を抑制する効果で、音を軽減しやすいです。

★★ ニオイ対策(空気質改善) ☆☆

空気中のホコリ・チリ・花粉など汚れの原因となっている成分には、プラスの電気が帯びています。これらの汚れの原因だけでなく、実は外壁にも微弱な静電気があるため、引き合って付着しやすいです。

ガイナは帯電性0.0(静電気が発生しない)の性質を持っているため、汚れの原因が付着しにくく、タバコの臭いも付きにくくする効果があります。

さらに、ガイナのおかげでマイナスイオンが発生しやすくなっているため、空気を改善したり、臭いも抑えたりする効果もあるのです。

外壁に塗っても内壁に塗っても同じ効果があるため、内壁に塗った場合は消臭効果も期待できるでしょう。

★★ 結露対策(結露抑制) ☆☆

結露は、基本的に温度が急激に下がり水蒸気が水に変化することで発生します。

主に、外の気温と室内の気温に違いが生まれると起こる現象です。

結露を解決するには、外気と内気の温度を同じぐらいに保つ必要があるでしょう。

ガイナを塗った場所は、室内に合わせて同じ温度に近づく性質があるため、急激な温度変化が起こりにくくなり、結露の発生を防ぐことに繋がります。

★★ 紫外線対策(建物長寿命化) ☆☆

ガイナは紫外線に対して強い防御力を発揮します。

ウレタン・シリコン・ラジカル・フッ素など、たくさんの種類の塗料があるのですが、その中でもガイナは遮熱・断熱系のシリコン塗料という扱いで、非常に耐久性が高い商品という位置づけです。

施工事例

施工前
施工前
施工後
施工後

ガイナのメリット

断熱機能

ガイナを建物内部(内壁・天井)に塗布し冬季室内で暖房を使用すると、塗布面の温度が瞬時に上昇し、室内側へ赤外線を効率的に放射することで暖かい室内環境を創出します。

壁・天井の表面温度が高くなれば体感温度も上がるので、効果を実感しやすく、結露防止対策としても有効です。また、熱の移動を抑制するため保温効果につながり、光熱費を節約できます。

遮熱機能

ガイナを屋根や外壁に塗装すると、日射を効率よく反射するため、熱の発生を抑え、夏の暑さ対策として効果を発揮します。

更に一部吸収した熱についても、遠赤外線を放射することにより、外からの日射を逃がし、遮熱効果を高めます。またガイナを塗ると、壁・天井の表面温度が下がるので、体感温度も低くなります。

遮音・防音機能

ガイナは塗膜表面の大部分がセラミックで構成されていて、一般塗料と比較して塗膜の表面積が大きくなっています。音は表面積の大きさに比例して反射されるので、ガイナで塗装された建物は音を効率的に反射し、音の侵入を抑えることができます。

車や電車の音、建物外部から侵入してくる音を和らげ、人の話し声や生活音などの建物内からの音漏れを抑えることができます。

空気質の改善機能

ガイナを建物内部の天井や内壁に塗装すると、臭いや汚れ物質の影響を抑えます。また、空気中の物質の浮遊を抑えるため、消臭効果や空気質の改善効果があります。

これらは、ガイナの塗膜表面を構成するセラミックから放射される遠赤外線の働きによって、マイナスイオン優位の環境となることが要因です。

結露の抑制機能

ガイナの塗膜は、周辺の温度変化に適応する特性を持っているため、内壁や天井に塗装すると、塗装面は室温に近づきます。その結果、温度差が小さくなることで、結露の原因となる熱の移動が少なくなるため、発生を抑えることができます。

建物耐久性の向上

ガイナは、紫外線に最も強いセラミックを多層化した塗料です。紫外線吸収率が高い(93~95%)ので通常の塗料の1.5~2倍の耐久性を持ち、さらに断熱・遮熱性能により、建物の膨張・収縮を最小限に抑えるとができます。

これらの特徴により、建物の耐久性を向上させることができます。

高い安全性

水性であるガイナは、「VOC」(揮発性有機化合物)の含有量が油性塗料に比べて少なく、塗料独特のシンナー臭がほぼ発生しない安全・低刺激な塗料です。その証拠として、室内空気環境の安全性の目安となる「F☆☆☆☆」を取得しています。

さらにガイナは、国土交通大臣から「不燃材料」として認定を受けた防火性能の高い塗料でもあります。

ガイナのデメリット

汚れがつきやすい

ガイナの塗膜には汚れが付着しやすく、目立ちます。ガイナ塗料には光沢の種類が「ツヤ消し」しかないのに加え、塗膜の表面が粗くザラザラした状態になっているため、汚れが付着しやすいのです。

ツヤあり仕上げができない

「ツヤ消し」しかないガイナ塗料は、光沢のある塗膜を好む方には不向きな塗料です。

選べる色の数が少ない

ガイナの基本色は「白」です。基本のカラーバリエーションは52色で、混合によって200色以上のカラーに対応できるといわれていますが、白に色を混ぜてカラーを作るため、黒や赤などの濃い色にはできません。

屋根にガイナを塗装する場合も、薄めの色になります。

塗膜が凸凹になる

ガイナ塗料には中空ビーズ(これによって高い断熱・吸音効果を発揮することができる)が含まれているため、塗膜の表面に細かい凹凸ができてしまいます。 フラットな塗膜を望む方にはオススメできません。

防カビ機能がない

シリコン樹脂系やフッ素系塗料に備わっている防カビ機能がガイナにはありません。防カビ機能を持たせたい場合、別途ガイナ抗菌防カビ材を使用する必要があります。

価格が高い

ガイナ塗料の一番のデメリットといえるのが、価格の高さです。1㎡あたりの実勢価格は「3,800円~4,500円」、14kg/缶あたり「56,000円~58,000円」が相場です。

これはシリコン塗料の約1.5倍の金額です。一方、耐久性もシリコン塗料の1.5倍前後なので、必ずしも費用対効果で劣っているとはいえません。しかし、シリコン塗料にはない機能性と耐久性を備えているので、ガイナ塗料は値段相応の価値を備えた塗料といえます。

塗料の使用可能期間が短い

ガイナ塗料は全て受注生産なので、注文してから納品するまでに時間がかかります。また、一般的な塗料のほとんどが、生産後3~4年程度の使用可能期間があるのに対し、ガイナの場合は未開封の状態でも3か月しかもちません。

ストックができないため、ガイナを使用する場合には、事前にしっかりと必要量を把握しておく必要があります。

まとめ

ガイナはメインとなる断熱効果だけでなく、「遮音・防音」「空気質改善(臭い対策)」「防露」「高耐久」「低VOC(揮発性有機化合物)」「不燃」等の様々な性能を持つのが特徴です。

断熱効果を持つ塗料はガイナ以外にも多く存在しますが、実績と機能性という点では、ガイナが頭一つ抜けています。

しかし、いくらよい塗料だといっても、お家ごとに「合う」ことも「合わない」こともあるので、外壁塗装をお考えの方は、塗装業者さんに見積もりをしてもらう際には、しっかりとメリットやデメリットを確認し、どのくらいの効果が期待できるのか事前に確認しておくのがよいでしょう。費用対効果を理解した上で行うことが重要です。

塗替えをお考えの方は、ぜひ塗装職人専門店のタカハシ美装をお尋ねください。

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