ウレタン塗料のメリット・デメリット

ウレタン塗料とは?

ウレタン塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分とした塗料です。

木製や塩ビ製素材、鉄部に適した塗料であり、この3つの素材への塗料に使用される事が多くあります。

また、木製外壁材や雨どい、フローリング等の木製建材、木製建具等に採用される事が多い塗料でもあります。

実はウレタン塗装、近年では外壁塗装にはあまり選ばれなくなっています。

塗料の中では2番目に安価な塗料といえば、ウレタン塗料です。一定の耐久性(耐候性)がありながら低価格という魅力があり、ひと昔前まで外壁塗装の主流でした。ところが、ウレタン塗装よりも耐久性が高く、価格帯も手ごろなシリコン塗装が登場したことにより、ウレタン塗装が選ばれることは少なくなっていったのです。
近年は、シリコン塗装が主流となっています。

とはいえ、ウレタン塗装が消滅してしまったわけではありません。実際に現在でも外壁塗装にウレタン塗装を選択するケースはあります。

お安く手頃なウレタン塗料には、どのような特徴があるのでしょうか。

ウレタン塗料のメリットとデメリットについて、ご紹介していきます。

ウレタン塗料のメリット

光沢のある高級ある塗膜

ウレタン材特有の光沢ある塗膜を作るので、ピカピカ光るような高級感あふれる光沢仕上げとなります。

逆に、品のある艶消しにしたい場合は表現しにくい塗料となります。

弾性があり柔らかく扱いやすい塗料

ウレタン塗料は、柔らかくとても扱いやすい塗料なので作業性が高い塗料です。

硬化した後の塗膜もやわらかいので、建物に動きがかかってもヒビ割れしにくい塗膜となります。

外壁は建物にかかった動きでヒビが発生しやすいですが、ウレタン塗料を使う事でヒビが発生しにくい理想的な外壁塗膜とする事が出来ます。

ヒビが入りやすい建物には、とても適した塗料となります。

密着性が高い塗料

素材に対し密着性が非常に高い塗料ですので、どなたでも扱いやすい塗料です。

耐薬品性に富んでいる

耐薬品性に富んでいるので、工場など汚染されやすい地域に適した塗料です。

種類が豊富な塗料

ウレタン塗料は一昔前までメインだった塗料ですので、日本や海外限らずとても多くの種類がある塗料です。

水性をはじめ、弱溶剤、強溶剤、遮熱塗料など、塗布する場所や用途に合わせて様々な塗料を選択できる塗料になります。

硬化剤の種類を変えると様々な作用を発揮する塗料となる

メーカーにもよりますが、硬化剤の種類を変えるだけで様々な作用を発揮する塗料で、低汚染性の硬化剤を配合すると低汚染効果を発揮する塗膜となり、弾性系の硬化剤を配合すると弾性塗料に早変わりします。

塗布する場所や用途に合わせて使い分けが可能な部分が、大きなメリットです。

2液型の塗料は高性能になりますので、ウレタン塗料の中でもオススメです。

1液型のシリコン塗料と2液型のウレタン塗料とでは、2液型のウレタン塗料の方が塗膜の堅さが富んでいると言われていますので、動きが出にくい屋根などには1液型のシリコン塗料より2液型のウレタン塗料の方が適しているという事可能性は十分にあると言えます。

メンテナンスが楽

ウレタン塗料は素地の表面を樹脂で覆うので、傷に強く素地が侵されにくい傾向があります。

その為、次回の塗装のメンテナンスの際も手がかかりにくく、とても楽に行う事ができます。

普及品塗料よりもお安い価格

普及品のシリコン塗料と比べて、若干ですが価格がお安いのもメリットと言えます。

ウレタン塗料が2,000~3,000円程度の単価なのに対し、シリコン塗料は2,500~3,500円程です。

外壁に採用すると面積が広いので、全体的な価格に大きな差が生まれます。

ウレタン塗料のデメリット

耐久性が低い

ウレタン塗料は、耐用年数が6~8年程度と言われています。

塗料の平均耐用年数が10年程度と言われていますので、平均耐用年数より劣る塗料となります。

シリコン塗料と比べると費用と効果が劣る

ウレタン塗料とシリコン塗料は、耐用年数に4~7年程度の差があるにもかかわらず、単価は多少の違いしかありません。

ウレタン塗料は費用対効果が低く、同じく費用を掛けるのであればシリコン塗料の方がお得という考え方も出来ます。

配合成分に強い毒性がある

ウレタン塗料に含まれているイソシアネートには、強い毒性があり危険です。

現代の塗料には、あまり向かない材料と言えます。

紫外線に弱い

イソシアネートは紫外線に弱く、外部に使うと黄変しやすい性質があります。

ここ数年のウレタン塗料は、ポリオール樹脂をベースにしたウレタン塗料にする事で改良を重ねておりますので、黄変しない塗料も多くなってきました。

光沢保持率が低い

ウレタン塗料とシリコン塗料との光沢保持率の実験をしたところ、ウレタン塗料はシリコン塗料の8割程度の光沢保持率しか発揮する事が出来ませんでした。

その為、経年により光沢の減少速度が早い塗膜となります。

紫外線による負担が大きく、耐候性に欠ける塗料です。

水分との相性が非常に良くない

ウレタン塗料の中に含まれている硬化剤が水と反応しやすく、湿度が高い時に塗布すると水分とキャッチしてしまい、塗膜性能が落ちてしまいます。

防汚性に劣る

ウレタン塗料の塗膜は防汚性に欠けており、汚れを付着させやすく汚れやすくなってしまいます。

たった数年で汚れて全体に薄汚くなった塗膜としてしまい、古臭さを発揮してしまいます。

しかし、近年は低汚染性の効果を追加したウレタン塗料もあり、汚れにくい塗膜にする事が出来るウレタン塗料も増えました。

まとめ

ひと昔前までは、外壁塗装においてウレタン塗装が主流でしたが、近年はウレタン塗装に代わってシリコン塗装が主流となっています。とはいえ、外壁塗装にウレタン塗装は絶対NGというわけではありません。価格の安さ重視で外壁塗装がしたい場合などに、あえてウレタン塗装を選択することもあります。一方で、外壁塗装にオススメなのはシリコン塗装というのも、また一つの事実です。その他、ピュアアクリル塗装、フッ素塗装、無機塗装などもあります。

主にウレタン塗料が採用される事が多い部分といえば外部の付帯部分です。

ウレタン塗料は普及品シリコン塗料より様々な面で劣りますので、外壁や屋根塗装工事を行う際は、シリコン塗料もしくはそれよりグレードの高い塗料を使う事が主ですが、これら以外の付帯部分に費用を抑える際に採用する場合が多くあります。

軒天や破風、淀、雨樋、雨戸、戸袋、土台見切りなどの付帯部分にウレタン塗料を塗布し、塗装工事の費用を少しでも浮かせるという考えです。

しかし、付帯部分も外壁や屋根の塗り替え部分も塗り替えのタイミングは同じですので、耐久年数が違う塗料を採用してしまうと付帯部分のみが塗膜の劣化が早く起きてしまいます。

付帯部分の面積はそれほど大きな物ではありませんので、出来れば外壁や屋根と同じ塗料を採用するようにしましょう。

業者によっては、付帯部分の塗料を勝手にグレードを下げて見積もりしてくる業者もいますので、外部塗装工事の前はどの塗料を使うのかを問い合わせてみると良いでしょう。

ウレタン塗料などグレードが低い塗料を付帯部分に採用している場合は、出来れば同じ塗料を使う様にお願いしてみましょう。

塗替えをお考えの方は、ぜひ塗装職人専門店のタカハシ美装をお尋ねください。

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